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日本司法福祉学会ニュースvol.45

1.第18回全国大会「2017 東京大会」を終えて

第18回全国大会実行委員長 小長井 賀與(立教大学)

2017年9月2日(土)・3日(日)の2日間にわたって、国学院大学渋谷キャンパスにおいて、日本司法福祉学会第18回全国大会を開催いたしました。大会テーマを「多様な人々の共生と司法福祉学」とし、司法福祉の実践と研究に従事する多様な人々が集い、司法福祉の観点から社会や人々の福利について知見と意見を交換しました。

本大会は、犯罪学系5学会の合同大会の中で当学会の大会も開催するという変則的な形態を取ったために、予算・施設使用・動員面で困難に直面しましたが、無事に大会を運営でき、学術的な成果も十分に得られたと思います。これも、ひとえに司法福祉学会に確かな帰属意識をもってくださった会員の皆様と、大会の企画と運営に献身的にご尽力された村田輝夫事務局長はじめ大会実行委員の皆様のお陰です。心から感謝申し上げます。

大会企画シンポジウムは、第1日目の午後に「生きづらさを抱える高齢者の社会統合―司法福祉の観点から考える―」をテーマとして、筆者が調整と司会を務め、4名のシンポジストに高齢者の当面する諸課題と対策について報告していただきました。すなわち、村田輝夫会員(民事法学)は「JR東海認知症高齢者事故訴訟で問われたもの」、古川降司会員(社会福祉学)は「認知症者による事件や事故へ司法福祉はどうアプローチするか」、今野由紀会員(司法ソーシャルワーク)は「高齢者の刑事事件の支援から−東京社会福祉士会の取り組み−」、臼井郁夫氏(東京都青少年・治安対策本部)は「高齢者万引きに関する調査研究について」と題して、それぞれの領域と立場から高齢者問題とそれに対する社会対応を関する報告をされました。それに対し、フロアからは活発に質疑や議論がなされました。高齢社会化は今後も一層深化していくと思われますが、現時点での司法福祉に関わる諸課題を共有し、対応の方向性を共に模索できたことは意義深いことでした。

また、大会2日間を通じて、計9題の自由研究報告と計11企画の分科会をもちました。自由研究報告のテーマが多様化し分科会数が大幅に増えたのが、本大会の特徴といえます。両プログラムを通じて、刑事弁護、情状鑑定、福祉ニーズのある容疑者・被疑者への入口支援と判決後支援、触法精神障害者の社会復帰と地域生活支援、知的障害者の権利擁護、児童自立支援施設での支援と社会的擁護、少年院での支援と社会復帰、加害者家族支援、離婚をめぐる夫婦と児童の福祉、司法と福祉の連携、心理・福祉専門職の司法実践、司法面接、家族紛争解決、児童福祉施設での性的問題、性の多様化というように多彩な問題が議論されました。司法福祉の対象領域が広がるとともにそこでの課題が複雑化し、多職種・機関連携による対応が必要となった時代状況を反映しているものと思われます。正に、司法福祉への社会的ニーズの高まりが感じられました。

最後に、改めて本大会にご参加、ご協力いただきました皆様方に厚くお礼申し上げます。ありがとうございました。

2.2017年度第1回理事会の開催報告

  • 開催日時:2017年9月1日(金)17:45〜19:30
  • 会場:國學院大學渋谷キャンパス2号館2503
  • 出席者:相澤仁監事、遠藤洋二理事、木村隆夫理事、小林良子理事、小長井賀與理事、杉浦ひとみ理事、須藤明事務局長、武内謙治理事、辰野文理理事、福永佳也理事、松友了理事、水藤昌彦理事、村尾泰弘会長、室井誠一理事、齋藤知子監事(記録)
  • 欠席者:石川正興理事、古川隆司理事(50音順)

議題

(1)各委員会からの報告

【総務委員会】
  • 学会規約等の改正について2年前から委員会で検討してきたが、今回、改正案を検討し、総会に提案したい。改正の要点は、以下のとおりである。
  • 会長不在時、会長の急病・事故などの緊急時には、理事の中から会長の職務内容を代行する理事を置くとした。代行する理事は、あらかじめ会長が指名した者とする。
  • 退会規定が「会費を総当年度滞納したもの」と年数が明確でないため、会費の管理などに支障が出ている。対応として「会費を2年以上滞納している者は、理事会において、退会したものとみなす」に変更した。
  • 学生会員(大学院生・大学生)、名誉会員(選出手続き、基準)について規定を明記した。
  • 事務局長の任務に関する規定を新設し明記した。
  • 監事の任務と任期等についての規定を確認し明記した。
  • 電子メール等による、いわゆる持ち回り決議についての規定を追加した。
【国際委員会】
  • 昨年度、海外学会での発表のための補助を1件実施した。その他、特になし。
【編集委員会】
  • 投稿論文が少ない上に、査読審査で掲載に達しないこともあるため、掲載論文が少ない。今後も論文投稿を募っていく。また大会の分科会報告については、研究論文よりも比重が多くなってしまっていて、学術学会誌として報告が多いものは、どうかという意見もあるが、昨年度と同様に3,000字以内としたい。
  • 小長井編集委員長が9月から来年3月までの半年を海外研修で国内に不在となるため、村田輝夫編集委員に委員長代理をお願いする。4月に帰国後、学会誌の次号の最終稿編集取りまとめは小長井編集委員長が行う。

(2)日本社会福祉系学会連合運営委員会報告

  • 12月にシンポジウムを開催する予定で、準備を進めている。
  • 学会連合運営委員会では事務局長人事に変更があり、立教大学の湯澤直美氏が就任した。会長は変更なし。

(3)総会関係

【2016年度 活動報告(第1号議案)、決算報告案(第2号議案)、監査報告】
  • すでにニュースレターで会員に報告済み。収入が増加しているのは、第17回全国大会において、大会開催校から学術研究大会への補助金を受領したことなどにより、大会補助費として学会から支出した300,000円が最終的に返金された為であることを確認した。
  • 収支報告書の記載について、読みやすくする工夫をするべきとの意見が出され、次年度に向けての検討課題とした。
  • 国際活動補助金について、対象になった会員の氏名を総会で公表することが透明性の観点から必要との意見があり、今後はそのように対応し、補助を受けて実施した学術活動の成果を学会誌などへ積極的に投稿をしてもらうよう呼びかけることとなった。
【2017年度 活動計画案(第3号議案)、予算案(第4号議案)】
  • 活動方針で特に大きく変更する点はないことを確認した。
【学会規約等の改正について(第5号議案)】
  • 改正案を配付し、総会で承認を求めることになった。
【2018年度大会について】
  • 開催予定校:日本福祉大学(大会長 木村隆夫理事)
  • 日時案:2018年8月25日(土)、26日(日)を第一候補日とする。開催予定校の学年歴が決まり次第決定する。
  • 会場案:日本福祉大学東海キャンパス

(4)その他

【日本「祈りと救いとこころ」学会第4回学術研究大会への後援依頼の取扱い】
  • 本学会の主旨に即していないため後援しないこととした。
【次回理事会の開催日程と研究会の併催】
  • 2018年2月3日(土)15:30〜17:30に理事会を開催する(立正大学品川キャンパス)
  • 研究会も同日の13:00〜15:00に立正大学品川キャンパスで開催する。研究会参加費について、会員は無料、非会員からは1,000円を徴収する。詳細は追って決定する。
【2018年度大会における理事選挙】
  • 大会開催予定校に選挙のための会場確保を依頼した。
  • 大会前日の2018年8月24日(金)夕方に理事会を開催する。
  • 大会終了後に新旧理事が集まり、新理事により会長、事務局長等の選出を実施する。

3.学会規約、理事選挙規則改正のお知らせ

2017年9月2日の総会において、学会規約、理事選挙規則の改正案が承認されました。学会のホームページ(9月14日付トピックス)に掲載されていますので、ご確認ください。

4.「司法福祉学研究」第19号への投稿のお願い

学会誌編集委員長代理 村田輝夫

「司法福祉学研究」第19号への投稿を募集いたします。投稿原稿の分類は、研究論文(自由研究)、事例研究、実践報告の三つです。分量は「16,000字」以内、表題には「英文タイトル」を併記し、研究論文、事例研究、実践報告のいずれであるかを明示し、投稿原稿を生活書院宛メールに添付して送付してください。締め切りは、2018年10月10日(水)午後5時とします。

なお、原稿の作成に当たっては、研究倫理指針および編集規程等を厳守してください。また、投稿についてのご質問やご意見は、村田宛メールにてお寄せください。


ところで、学会誌編集委員会では、現在第18号の編集作業を開始しております。盛況であった2017東京大会関係報告原稿をお寄せいただき、大会の成果を学会誌に反映できればと考えております。次号に向けては、学術的価値の高い学会誌とするために、会員各位からの積極的な研究論文等の投稿をお願いいたします。

5.会員動向(2017年11月24日現在)

  • 正会員 398名
  • 学生会員 38名
  • 名誉会員 6名

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