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日本司法福祉学会ニュースvol.21

発行  2009年7月7日
〒658-8501  神戸市東灘区岡本8-9-1    甲南大学法学部  前田忠弘研究室
電話・ファックス:078-431-6100

沖縄では梅雨が明け、夏もすぐそこにやってきました。みなさま、お元気でおすごしでしょうか。

さて、今回のニュースレターでは、第10回大会の詳細なプログラム、参加申込の手続き、大会と同時に実施されます第1回理事・監事選挙を中心にご案内いたします。

1.日本司法福祉学会第10回大会のご案内 ―今年は東京で開催されます―

(1) 大会日程

日時

2009年8月8日土曜日 午後1時開会〜8月9日日曜日 午後3時30分閉会

*【受付開始12時】

会場

立正大学大崎キャンパス11号館
東京都品川区大崎4-2-16  山手線「大崎駅」徒歩5分

大会テーマ

非行者の地域社会への復帰

日程

8月8日土曜日
13:10〜14:10  シンポジウム「非行者の再統合と司法」第1部

企画・司会 : 藤原正範(鈴鹿医療科学大学)
シンポジスト
  津富宏(静岡県立大学)
  三宅仁士(前橋保護観察所)
  坪井節子(弁護士)  ほか
指定討論者 : 小長井賀與(立教大学)

14:50〜15:20  第10回大会記念講演

   山口幸男(日本司法福祉学会名誉会員)

15:30〜17:30  シンポジウム「非行者の再統合と司法」第2部
17:40〜18:20  総会
18:30〜  懇親会(ゆうぽうと8階  シェーンザール  TEL:03-3494-8043)
8月9日日曜日
9:00〜12:00  分科会
13:00〜13:10  選挙結果報告  新会長あいさつ
13:20〜15:20  自由研究発表

(2) シンポジウムと分科会の内容紹介

1) シンポジウム「非行者の地域社会への復帰」の企画趣旨

この1〜2年の間に、刑事司法と社会福祉との接点の領域への関心が、急速に高まってきた。 この背景には、ここ15年程の間に急速に進んだ犯罪者・非行少年への厳罰化が、彼らの更生、健全育成に有効にはたらくどころかマイナスになっているという現実があると考えられる。 本年度のシンポジウムは、少年司法分野にある専門機関が、非行のあった者を地域社会に戻す活動に関して、今何をなし、これから何をなそうとしているのかを明らかにすることを目的とする。

引きこもり、ニートの若者の社会参加の活動を実践する元法務教官津富宏(静岡県立大学)、現職保護観察官の三宅仁士(前橋保護観察所)、家族の支援のない子どもの自立支援の活動を実践する弁護士坪井節子(東京弁護士会)の3人が、 非行者を支援する視点、非行者を支援する方法、非行者への支援と地域社会へのはたらきかけ、非行者支援の体制づくりなどの論点で問題提起を行う予定である。

2) 分科会の内容紹介
第1分科会 刑事弁護人による被害者対応とアメリカにおけるDIVOプログラム
  • 企画:前野育三(大阪経済法科大学客員教授)

日本においても近年、刑事弁護人による被害者対応は、重要な分野となり、さまざまの工夫を凝らして行われている。 一方アメリカでは、DIVOプログラムという名称で呼ばれるものがあり、日本でも注目され始めている。 現在のところ、日本におけるDIVO研究者は、日本で現に行われている刑事弁護人による被害者対応の諸活動をよく理解しているとはいえず、また、刑事弁護に携わる弁護士はDIVOを理解している人は少ない。 はたしてDIVOは、日本の刑事弁護にどの程度の影響を与える可能性があるものなのか。この問題を考えるきっかけとなる分科会としたい。

第2分科会 司法福祉の方法と技術―その3―  ―ジャスティス・クライエント(Justice Client)への福祉・臨床的アプローチ
  • 企画者:廣井亮一(立命館大学)
  • 話題提供者:水藤昌彦(高槻地域生活総合支援センターぷれいすBe)
  • 話題提供者:森久智江(立命館大学)
  • 指定討論者:生島浩 (福島大学)
  • 指定討論者:岡本吉生(日本女子大学)
  • 指定討論者:藤原正範(鈴鹿医療科学大学)

知的障害や発達障害のある犯罪者・非行少年をジャスティス・クライエント(Justice‐Client)として包括的にとらえ、司法の枠組みにおける彼らに対する福祉・臨床的支援について考える。 昨年、我々はオーストラリア・ビクトリア州のDepartment of Human Servicesを訪問し、DHSケースワーカーとして長年活躍された水藤昌彦氏の案内で、ジャスティス・クライエントに対する福祉・臨床的支援の実際を調査した。 本分科会では、オーストラリアDHSの実践と我が国の現状を対比させながら検討、議論する。

第3分科会 児童自立支援施設出身者の自立支援―社会復帰に向けた関係機関との連携
  • 企画者:小林英義(東洋大学)
  • 企画者:小木曽宏(淑徳大学)
  • 話題提供者:金井剛(横浜市中央児童相談所医務担当課長。児童精神科医)
  • 話題提供者:吉岡一孝(児童養護施設長。教護院寮長、児童相談所相談課長等を歴任)

少年法改正の論議において、少年院ではなく福祉の視点から少年の自立を支援する児童自立支援施設の指導が注目され、児童相談所や家庭裁判所からも一定の期待が寄せられている。 また、児童自立支援施設に対して「治療的支援」プログラムの試行も必要ではないかという提言もなされている。 一方、施設を退所後、再び問題を起こし、家庭裁判所に通告・送致される少年が全体の4分の1に上ることが国立武蔵野学院の全国調査(2002年)で明らかになっている。 入所の判断を求められる児童相談所や家庭裁判所との今後の連携、並びに児童精神医学的な視点から、 少年院とは異なる支援の可能性について、この施設の援助内容や退所後の支援のあり方を中心に議論する場を設けるものである。

第4分科会 児童自立支援施設を元気にする
  • 企画者:西嶋 嘉彦(修徳学院)

児童自立支援施設の内部動静を、小舎夫婦制施設から、年次取り組んできた四つの課題の経緯を振り返り、ひいては社会に、家族・子どもに、そして何より全国の児童自立支援施設に「自立支援の元気」を届けたい。

  1. 定員開差解消への取組み
  2. 科学的処遇の確立
  3. 今に始まったことじゃない苦情対応
  4. リービングケア・アフターケアと言うお付き合い
第5分科会 少年保護機関における被害者情報の共有、連携、協働について
  • 企画:八田次郎(元法務教官)
  • 進行:村尾博司(名古屋矯正管区)
  • 話題提供者:伊藤由紀夫(東京家庭裁判所)
  • 話題提供者:大熊直人(赤城少年院)
  • 話題提供者:調子康弘(法務省保護局)
  • 話題提供者:片山徒有(犯罪被害者)

被害者と加害者が直接会ったり、手紙をやり取りすることは、被害者が被害から回復する上でも、加害少年の健全育成を図る上からも重要である。 しかしながら、これを進めるに当たっては、第1に被害者の考え方、心情を中心に置くこと、第2に適切な時機に実施すること、の2点を踏まえなくてはならない。

被害者と加害者の対話・対峙を実施するためには、被害者の心情を中心に置き、加害者、双方の親族等、それらを巡る人々、関係機関等の地道な努力が必要である。 関係機関における情報の共有、連携、協働の現状と可能性について検討する。

第6分科会 犯罪心理鑑定を学ぶ―真面目な少年の殺人事件事例を通して―
  • 企画・事例発表者:山田麻紗子(日本福祉大学)
  • 司会者:未定
  • 指定討論者:加藤幸雄(日本福祉大学)

今年5月に裁判員制度による裁判が始まった。検察官送致決定となった16歳以上の少年も、この制度による裁判を受ける対象になる。 壇上に並ぶ9人の裁判官と裁判員に見下ろされ、検察官、弁護人、書記官、さらに傍聴人等々が居並ぶ広い法廷で、果たして未成年者である少年が発言できるだろうか。 審理の中でどこまで少年自身と犯罪の本当の姿が解明されるのか、懸念される。 このような事態を受けて少年刑事事件に犯罪心理鑑定を行う必要性が高くなった。 犯罪心理鑑定について関心がある、やってみたいと思う人に集ってもらい、鑑定を行った事例を通して共通認識を深め、事例理解、調査方法に対する検討などを行う場にしたいと考える。

第7分科会 児童相談所の苦悩と未来 …虐待を認めない親と向かい合う…
  • 企画・進行:斉藤幸芳(東京都品川児童相談所・虐待対応児童福祉司)
  • 話題提供者:才村純(関西学院大学教授)
  • 話題提供者:馬場望(東京弁護士会・弁護士)
  • 話題提供者:影山孝(東京都児童相談センター・児童福祉専門副参事)

虐待件数が年々増加傾向にある中で、児童相談所は、親と対峙することも少なくない。 職権で一時保護はできても、児童福祉施設入所となると、親の承諾が必要になってくる。 児童福祉司は、虐待を繰り返す親から子ども達を守らなければならない使命を持ち活動をしている。しかし、児童福祉司は、虐待の他様々なケースに対応している。 その量の多さと難しさの中で苦悩し疲弊している。この分科会を、児童福祉司のモチベーションを高め、かつ健康的に活動できるようになるための議論の場としたい。

第8分科会 家族再統合へ向けてのファミリーグループカンファレンス導入の可能性
  • 企画・司会:村尾泰弘(立正大学)
  • 話題提供者:大竹悟(立正大学)  FGC導入の可能性と課題
  • 話題提供者:林浩康(日本女子大学)  諸外国の取り組みと日本への導入の可能性
  • 話題提供者:鈴木浩之(神奈川県中央児童相談所)  当事者参画型の実践とFGCへの展望 ―神奈川県の取り組みから―
  • 話題提供者:伊藤冨士江(上智大学)  少年非行のFGC
  •  
  • 指定討論者:安達映子(立正大学)  家族療法の立場から

ファミリーグループカンファレンス(FGC)とは要保護児童および家族への支援のために導入されたシステムであり、拡大家族による話し合いを中心に展開されるものである。 ニュージーランドでは1989年に導入され、虐待ケースや少年非行などのケースで効果を上げている。 そのシステムとは、専門職・専門機関と家族との協働作業による、問題解決に向けたプロセス(情報共有→身内のみによる家族会議→合意)であり、かつ具体的な支援計画を決定する場である。

この分科会ではニュージーランドで制作されたビデオを見た上で、話題提供者から我が国において、このシステムが導入できるかどうか、そのためにはどのような課題があるのか等を それぞれの立場から話して頂き、フロアーと自由にディスカッションを深めていきたい。

◆分科会・自由研究発表の会場(教室)等は、当日、お知らせいたします。

2.大会参加申し込みについて〜会員の皆様へのお願い〜

  • 参加費:会員3000円、非会員4000円、学生・大学院生1000円
  • 懇親会費:5000円
  • 8月9日日曜日の昼弁当:1000円

なるべく当日のお支払いを避け、事前に、銀行振込にて参加費等をお支払いください。
【振込先】
みずほ銀行 辻堂支店(店番号389)
振込先名義:日本司法福祉学会東京大会事務局長 村尾泰弘
普通預金
口座番号:1977890

3.参加手続き

会員の皆様には、学会ニュース同封のはがきにて、7月21日火曜日までに、第10回大会への参加の有無をお知らせください。

参加の方は、参加希望の分科会、懇親会への参加の有無をお知らせください。

4.その他

宿泊につきましては、会員各自でお手配をお願いいたします。会場は大崎駅から徒歩5分です。大崎は品川の隣の駅に当たります。新宿、渋谷からも近いところに位置しています。 大崎駅北改札から西口へ出て、駅前の道路(山手通り)を右に直進してください。大崎警察署の隣が大会会場・立正大学11号館です。

懇親会会場は山手通りをさらに直進。ゆうぽうと8階「シェーンザール」です。

自家用車でのご来場はご遠慮ください。近所の有料駐車場に駐車していただくことになります。

また、本学会大会当日は、同じキャンパスで日本臨床心理士会の研修会(1800人規模)が同時開催されます。混乱等も予想されますので、ご注意ください。

第1回理事・監事選挙の実施について

日本司法福祉学会理事・監事選出規則にしたがって、2009年8月8日土曜日、以下の要領で理事・監事の選挙を実施します。

  1. 大会受付に隣接した場所に、選挙管理委員会ブースを設置しております。そこで、有権者資格の確認後、投票用紙と会員名簿をお受け取り下さい。
  2. 選挙管理委員長の選挙告示後、18時20分までに投票をお済ませください。理事の選挙は10名連記、監事の選挙は2名連記です。
  3. 翌8月9日日曜日13時、選挙管理委員長の選挙結果報告と新会長のあいさつが行われます。
  

なお、日本司法福祉学会理事・監事選出細則第2条により、 有権者資格は、1.2009年6月末時点で会員であること、2.選挙当日出席していること、3.2008年度会費を納入していること、のすべてを満たす会員に限定されています。

事務局からのお知らせ

8月以降、事務局体制が変更される予定です。詳細につきましては、次号でご案内いたします。